はじめに
一つの質問だけが大切です。聞き手がどれを指すか分かりますか。分かるなら「the」を使います。分からない単数の数えられる物なら「a」や「an」を使います。複数や数えられない物で一般的な話なら冠詞を使いません。英語の冠詞のほぼ全てはこの見分け方に戻ります。
冠詞は長く悩みの種です。日本語には冠詞がありませんから、英語の名詞の前の小さな言葉が余分に見えます。TOEICのPart5でも冠詞は狙われます。新宿の会議室や満員電車、コンビニでのやり取りを思い浮かべながら整理します。
相手を基準に決める考え方
冠詞を選ぶ前に、相手の頭の中を考えます。相手と意識を共有できているかが基準です。
「I saw a dog」と言えば、相手はどの犬か分かりません。広い世界から一匹を紹介します。「I saw the dog」と言えば、相手はどの犬か分かります。さきほど話した犬や、近所の犬を指します。
次のペアを声に出して読み、頭の中の絵の違いを感じます。
- Can you pass a pen? どのペンでもよいときです。会議室で予備を求めます。Can you pass the pen? 机の上の特定のペンを指します。
- We hired an engineer. 新しい同僚の紹介です。海外出張の体制を話します。We hired the engineer. 面接で会った特定の候補者です。
- She bought a car. 数百万台の中の一台です。She bought the car. 貯金をして決めていた特定の一台です。
母語話者は表で計算しません。相手と場面を一瞬で確かめます。
初出はaで二回目はtheに変える
数えられる名詞を初めて出すとき、相手はまだそれを知りません。「a」や「an」で会話に迎えます。一度出た後は、次からは「the」に変えます。
これが受け渡しです。ずっと「a」のままでは、相手は毎回新しい物が出たと受け取ります。
名詞が共有された瞬間に冠詞が変わる様子を見ます。
I adopted a rescue dog yesterday, and the dog slept on my rug.
初出で犬を紹介し、二回目でその犬を指し返します。
- a rescue dog 初出です。相手はどの犬か分からないので、aで紹介します。
- yesterday 引き取った時を示す、終わった時間を表す言葉です。
- the dog 二回目です。二人ともどの犬か分かるので、theに変わります。
- slept 後の文の動作です。分かっている犬が何をしたかを伝えます。
目的語時間主語動詞
受け渡しを崩すと誤解されます。「I bought a coffee and a sandwich. A sandwich was stale」と言えば、二つ目のサンドイッチに聞こえます。話し手が変わっても同じです。佐藤さんが「a new job」と言えば、ゆいさんは「How is the job」と聞きます。
つづりではなく音でaとanを選ぶ
「a」と「an」の選び方は発音で決まります。つづりでは決まりません。子音の音の前では「a」、母音の音の前では「an」を置きます。
英語は母音の衝突を避けるために「an」を使います。「an umbrella」は母音の音で始まるので自然です。「a university」は最初の音が子音の/j/ですからaになります。「a house」はhを発音しますが、「an hour」や「an honest review」はhが無音なのでanになります。
| 表現 | 始まりの音 | 冠詞の理由 |
|---|---|---|
| a university | 子音 /j/ | youのように発音され、子音で始まるからです。 |
| a European city | 子音 /j/ | yardのような子音の音で開くからです。 |
| a one-hour trip | 子音 /w/ | wonのような子音の音で開くからです。 |
| an hour | 母音 /aʊ/ | hが無音で、母音だけが残るからです。 |
| an honest answer | 母音 /ɒ/ | hが無音なので、母音の衝突を避けます。 |
| an MBA degree | 母音 /ɛ/ | 文字名emが母音で始まるからです。 |
略語も同じ基準です。文字Mはemと読み、母音で始まります。だから「an MBA」や「an FBI agent」と言います。一方で「a CEO」や「a NATO meeting」と言います。オンライン英会話で自己紹介するときに役立ちます。
場面が指し示すときはtheを使う
場面や共有の知識でどれか明らかなときは、初出でも「the」を使います。
部屋の中で「Could you close the door」と言えば、どのドアかすぐ分かります。唯一の物にもtheを使います。「the sun」や「the moon」、「the earth」や「the internet」です。会社では「the receptionist」、レストランでは「the bill」が自然です。国の中では「the prime minister」や「the president」が決まります。
✦ 理解度チェック
5問で確かめます。全問解説付きです。
日常文での選び方を確かめます。
"I have good news: we found ___ apartment near the station."
"Could you turn down ___ music? I am on a call."
"She completed ___ one-year fellowship in Oxford."
"___ computers have transformed modern office work."
"A courier brought a package and a letter, but ___ letter was soaked."
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →一般的な話は無冠詞にする
種類全体の話では、複数や数えられない名詞に冠詞を付けません。文法では無冠詞と呼びます。
「Cats are independent」は地球上の全ての猫の話です。「The cats are independent」と言えば、知っている群に限られます。数えられない名詞も同じです。
- Coffee keeps me awake. 一般のコーヒーの話です。The coffee in this cup is cold. このカップの特定の分です。
- Life is full of surprises. 広い人生の話です。The life of Winston Churchill was eventful. 特定の人物の記録です。
- Water boils at one hundred degrees. 全ての水の話です。The water from that tap tastes metallic. その蛇口の特定の水です。
冠詞を外すことは、特定のチームや瞬間ではなく、普遍的な事実を述べる合図です。
名前と地名と日常の習慣
慣用でtheが必要な形があります。最上級は一つだけがその称号を持つのでtheを付けます。「the tallest building」や「the best option」です。序数も同じです。「the first chapter」や「the second attempt」です。
地名は単独か集まりかで決まります。大陸や都市、単独の湖や多くの国は無冠詞です。「Europe」や「London」、「Lake Geneva」や「France」です。複数の国名や複合の政治名、水域や山脈はtheが必要です。「the Netherlands」や「the United Kingdom」、「the United States」、「the Thames」や「the Atlantic Ocean」、「the Alps」です。単独の峰は無冠詞です。「Mount Everest」です。
日常の習慣にも対比があります。本来の目的で施設を使うときは冠詞を外します。学ぶために「to school」、患者として「in hospital」です。イギリス英語では患者は「in hospital」、アメリカ英語では「in the hospital」と言います。英検では「in hospital」が好まれます。建物自体を訪ねるときはtheを戻します。「The father went to the school」です。 regularな食事やスポーツ、近い未来は無冠詞です。「have breakfast」や「play football」、「next week」です。
| 場面 | theなしの言い方 | theありの言い方 |
|---|---|---|
| School | at school (学ぶため) | to the school (建物への訪問) |
| Bed | in bed (寝るため) | on the bed (家具の上) |
| Hospital | in hospital (英:患者として) | at the hospital (建物として) |
| Prison | in prison (服役中) | to the prison (建物への訪問) |
| Meals | have lunch (食事として) | the lunch (特定の昼食) |
| Sports | play football (競技として) | kick the football (特定の球) |
直したい四つの癖
この四つの癖は日本語話者によく見られます。日本語との違いを知れば直しやすくなります。TOEICの文法問題でも点を守れます。
- 冠詞と複数形を落とす癖。 日本語には冠詞も複数形もありません。だから「I have three book」や「many student」としがちです。単数の数えられる名詞は裸で置けません。「I bought a computer」と言います。複数は形を変えます。「three books」や「many students」とします。外国人のお客様の対応では数が大切です。
- たを過去形と現在完了形に重ねる癖と、数え分けの癖。 日本語のたは「I already ate」と「I have already eaten」の両方を覆います。経験や継続は現在完了形を使います。「I have lived in Kyoto for three years」とします。また可算名詞と不可算名詞の区別がなく、「many informations」や「an advice」としがちです。informationとadviceは数えません。「a lot of information」や「a piece of advice」とします。almostも注意します。「almost people」ではなく「almost all people」とします。
- はの直訳と語順と品詞の癖。 話題の「は」が漏れて「about me, I think」のように付けがちです。主語から始めます。「I think」とします。疑問文も語順が変わります。日本語は文末に「か」を付けますが、英語は語順を変えます。「You like sushi」に対して「Do you like sushi」とします。形容詞と副詞も混ざります。な形容詞とい形容詞とlyは合いません。「He speaks slow」ではなく「He speaks slowly」とします。
- pleaseとcanに頼る癖。 「お願いします」は丁寧で中立ですが、英語のpleaseの多用は強い依頼に響きます。会議では「Could you share the file」のように助動詞で柔らげます。canも一語で済ませがちです。能力と許可は分けます。「I can swim」は能力、「Can I use this room」は許可です。留学の面接では区別が評価されます。
田中さんも佐藤さんも、aとtheで止まります。会議や海外出張の文で少しずつ直せます。自分の弱点に合う短い練習が役立ちます。自分のミニコースを作る →
自分のミニコースを作る →この誤りは二つの習慣に集まります。単数の数えられる名詞に何も付けないことと、一般的な話にtheを付けることです。この二つを変えるだけで伝わり方が整います。
まとめ
冠詞の選び方は暗記ではありません。全体は一つの質問に集まります。相手がどれを指すか分かりますか。
新しい単数には「a」や「an」を音で選びます。共有できたら「the」に変えます。一般的な話や習慣は無冠詞にします。けんたさんのように満員電車やコンビニの出来事で声に出すと、選び方が反射になります。
よくある質問
TOEICで冠詞はよく出ますか。どこを押さえればよいですか。
はい、Part5とPart6で出ます。初出と二回目、無冠詞の一般論、aとanの音の区別が中心です。会議室や出張の文で受け渡しを練習すると得点につながります。
aとtheを間違えると通じなくなりますか。
多くは通じますが、誤解されます。aのままでは新しい物に聞こえ、theのままでは相手が知っている前提になります。オンライン英会話では相手の反応を見て直すと身につきます。
可算名詞と不可算名詞の見分け方を教えてください。
数えて一つ二つと言えるかが基準です。bookやstudentは数えられます。informationやadviceやfurnitureは数えません。迷ったら辞書のCとUの記号を見ます。英検の語彙問題にも役立ちます。
日本人が無冠詞で言いがちな文を直すこつはありますか。
単数の数えられる名詞を見たら冠詞を足します。「I bought computer」なら「I bought a computer」にします。複数なら語尾を確かめます。「three book」なら「three books」にします。音読で形を定着させます。
出典と参考
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where article control sits across the A2-B1 range
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
- Swan, M. (2016). Practical English Usage (4th ed.). Oxford University Press. reference rules for article usage in standard English
