はじめに
どちらの単語も知っているのに、使う直前で手が止まります。田中さんが新宿の会議室で英語の会議に出る前に、「do a decision」と「make a decision」のどちらかで迷う場面がよくあります。その迷いは自然です。理屈よりも慣用で決まる部分が多いからです。
一つの区別を目安にします。「do homework」や「do the dishes」のように、作業や活動そのものを行うときはdoを使います。「make a cake」や「make a decision」のように、行動の結果として何かが生まれるときはmakeを使います。終わった後に何が残るかを思い浮かべると選びやすくなります。
それでも定番の組み合わせはそのまま覚える必要があります。なぜ「do the dishes」と言うのに「make the bed」と言うのかは理屈では説明できません。このページでは区別の考え方と一緒に覚えたいペア、そして混同しやすい別の働きを整理します。TOEICの語彙問題にもつながる内容です。
実行のdoと作成のmake
doは実行、makeは作成と考えます。「do homework, do the dishes, do your job」は、始めから終わりまで活動を行う意味です。「make a cake, make a mistake, make progress」は、終わった後にケーキや間違いや成果という新しい結果が残ります。
残るものを質問してみます。努力や時間や済ませた義務が残るならdoを選びます。「I did the shopping this morning」は買い物という用事を済ませたことに焦点があります。物や音や予定や気持ちが残るならmakeを選びます。「I made soup」は前にはなかったスープが生まれています。
この区別は多くの場合に当てはまりますが、すべてではありません。英語には古い習慣が残っています。「make the bed」は何も作りませんがmakeを使い、「do business」は取引という結果があってもdoを使います。まず考え方をつかみ、その後で定番表現をかたまりで覚えます。日本語のするはdoとmakeの両方に当たるため、一語ずつ訳さないことが大切です。
- 実行する作業にはdoを使います。「do homework, do exercise, do the laundry, do your best, do research」
- 生み出す結果にはmakeを使います。「make a decision, make an effort, make money, make friends, make a phone call」
- 残るもので確かめます。努力や済ませた用事ならdo、新しい物や結果ならmakeです
doの表現はまとめて覚えます
doの表現は一つずつ考えず、名詞と一緒に覚えます。朝のあいさつのようにかたまりで覚えると、話すときにそのまま取り出せます。生活の場面ごとに分けると思い出しやすくなります。
まず家事と日常です。「do the dishes, do the laundry, do the shopping, do the cleaning, do your hair」はどれも日常の作業です。コンビニ帰りの佐藤さんが京都の自宅で皿洗いをする場面を思い浮かべます。新しい物を作るのではなく、決まった作業を行って終えます。イギリス英語とアメリカ英語で共通し、試験でもこの形が求められます。
次に仕事と学習です。「do homework, do an exam, do research, do business, do a course」に加えて、「do your best, do well, do badly, do someone a favour」も覚えます。「do someone a favour」や「do research」では、親切が贈り物のように感じられてmakeを使いたくなりますが、英語では相手のために行う作業としてdoを使います。オンライン英会話や海外出張の準備でもよく出ます。
| 使い方 | 言える例文 | doを使う理由 |
|---|---|---|
| 家事 | I will do the dishes after dinner. | 毎日行って終える作業だからです。 |
| 学習と仕事 | She has to do homework tonight. | 新しい物ではなく義務と努力だからです。 |
| 親切な行為 | Can you do me a favour tomorrow. | 相手のために行動を行うからです。 |
| 一般的な活動 | They did business in Berlin. | 作成に焦点がない活動だからです。 |
makeの表現はまとめて覚えます
makeの表現もかたまりで覚えます。多くは行動の前にはなかった結果を表します。初めて出会った表現は声に出して五回言うと、動詞と名詞の結びつきが強くなります。ゆいさんが留学の面接準備で使う場面が想像できます。
まず決定と予定です。「make a decision, make a choice, make plans, make an appointment, make a phone call」では、決定や予定が作られたことで生まれます。母語の影響で「do a decision」と言い間違えやすく、TOEICや英検では誤りとされます。外国人のお客様の対応で予約を取る場面でも定番です。
次に作成と人との結果です。「make a mistake, make progress, make an effort, make money, make friends, make a mess, make the bed」では、間違いや進歩やお金という結果が生まれます。「make the bed」は例外です。作るより整える意味ですが、整ったベッドを仕上がりとして扱います。満員電車での通勤後にけんたさんが部屋を整える場面でも使えます。
五つの文で確認します
区別と主なかたまりを見てきました。ここで実際に言いそうな文で選び方を確かめます。けんたさんが英語の会議で話す場面を思い浮かべながら、速く選んで理由を読みます。訳さずに選べるかが記憶の目安になります。
この確認は真ん中に置いています。規則を学び、試し、その後で難しい場合を学ぶ順番が記憶に残りやすいからです。間違えた表現はカードに書いて、今日三回声に出します。
✦ 理解度チェック
区別の確認
実際に言う五つの文です。
I have to ___ homework before dinner.
She ___ a decision yesterday morning.
Could you ___ me a favour and open the window.
You have ___ good progress this month.
He ___ a phone call and then left.
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →別の二つの働きは分けて考えます
doとmakeには、doかmakeかの選択とは関係ない二つの型もあります。頭の中で別の箱に入れておきます。そうすると上の選択と混ざりません。
一つ目は助動詞としてのdoです。現在形と過去形の疑問文や否定文で使います。「Do you like coffee」「I do not work on Sundays」「Did she call」では、doは時制を示すだけで実行の意味はありません。名詞との組み合わせの規則とも関係がありません。別の動詞の前にdoがあれば、この助ける働きです。
二つ目は人を原因とするmakeです。「make someone do something」はさせるという意味です。「My teacher made me rewrite the essay」「The film made us laugh」「Rain made the traffic slow」のように、makeの後に人と動詞の原形を置き、toは入れません。物を作る話ではありません。動作を引き起こす話です。アメリカ英語とイギリス英語で共通し、IELTSの文法問題にも出ます。
同じ名詞でも動詞で意味が変わります
同じ名詞でも両方の動詞と結びつく場合があり、意味が変わります。自由に入れ替えはできません。対比で並べて覚えると定着します。名詞は同じで動詞が行動を変えます。
髪を例にします。「do your hair」は洗う、とかす、整えるという日常の手入れです。原因の型では「the humidity made my hair frizzy」のように、makeの後に形容詞を置けます。後者は定番の組み合わせではなく、前の節の原因の型で、形容詞が必要です。
仕事と親切も同じです。「do business」は取引や仕事をすることです。「make business」は「make business sense」のようなまれな形でのみ使い、採算の理屈を指します。「do someone a favour」は手伝う意味です。「make a favour」は標準英語では正しくありません。
同じ名詞でも動詞だけで正しさと意味が変わります。
You made a mistake on page two.
正しく自然です。間違いは生み出した結果なので、makeが区別に合います。
You did a mistake on page two.
標準英語では誤りです。doは作業を指しますが、間違いは作り出した結果です。
動詞名詞句
六つの間違いを直します
日本語話者がしやすい小さな間違いを直すと早く伸びます。日本語には冠詞がなく、複数形の区別も数えられる名詞と数えられない名詞の区別もないため、英語の形が抜けやすくなります。誤った形を一度読み、正しい形を三回声に出します。
下の六つは日常とTOEIC対策の中心です。直訳による混同に、日本語の影響による抜けや語順のずれが重なります。今週の自分のメッセージを見直し、当てはまるものを置き換えます。
- 「do a mistake」と言いません。 間違いは生まれる結果なので、「I made a mistake in the report」と言います。日本語にはa, an, theの区別がないため、aを落とした「make mistake」にも注意します。複数ならmistakesとsを付けます。
- 「make homework」と言いません。 宿題は行う作業なので、「I did my homework after school」と言います。homeworkやresearchは数えられず、「many informations」や「an advice」は誤りです。「I have three book」や「many student」のようにsを落とさず、three booksやmany studentsとします。
- 「make a favour」と言いません。 親切は行う行為なので、「Can you do me a favour tomorrow」と言います。日本語のかと違い、英語の疑問文は動詞が前に出ます。お願いしますの気持ちでpleaseを重ねすぎず、許可のcanと能力のcanを区別し、丁寧にはCould youを使います。
- 「do a decision」と言いません。 決定は生まれる結果なので、「We made a decision to wait」と言います。日本語のたは過去形と現在完了形の両方に使うため、「I already ate」としがちですが、経験や完了では「I have already eaten」とします。はをそのまま「about me, I think」とする言い方も避け、I thinkとします。
- 作業にはmakeを使いません。 「I did the shopping this morning」や「do the dishes, do research」のように日常の作業はdoです。ほとんどをalmostで表して「almost people」としがちですが、正しくはmost peopleです。な形容詞とい形容詞と-lyの区別にも注意し、よくやるはdo wellとします。
- 「do progress」と言いません。 進歩は積み上がる成果なので、「We made progress on the project」と言います。progressも数えられず複数形にしません。新宿の会議室で進捗を報告する場面では、このかたまりがそのまま使えます。
決定や親切の言い方で迷う点を整理し、短い練習を作ります。自分の文で話す練習を続けます。自分のミニコースを作る →
自分のミニコースを作る →まとめ
話すときは区別を思い出します。doは行う作業、makeは生まれる結果です。単語ではなく、定番のかたまりで覚えます。
今週は難しいペアを声に出します。「make a decision, make progress, do homework, do me a favour」を自分の文で使います。録音して聞き返し、その場で動詞を直します。その繰り返しで迷いが減ります。
よくある質問
do homeworkとmake homeworkのどちらが正しいですか。
do homeworkが正しいです。宿題は行う作業だからです。make homeworkでは他人のために宿題を作る意味になります。
TOEICでdoとmakeの選択を落とさない方法はありますか。
残るもので判断します。努力や用事ならdo、決定や進歩など結果ならmakeです。「do homework」「make a decision」「make progress」「do me a favour」を例文で覚えると安定します。
作業なのになぜmake the bedと言うのですか。
古い定番表現だからです。整ったベッドを仕上がりとして扱います。例外としてかたまりで覚え、区別を当てはめないようにします。
do your hairとmake your hairの違いは何ですか。
do your hairは髪を整える意味です。make your hairは形容詞と一緒に原因を表し、「humidity made my hair frizzy」のように使います。
出典
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where this contrast sits in the A2-B1 range
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
