最初の動詞が次の動詞の形を決めます。「I enjoy swimming」と言いますが、「I want to swim」と言います。「I enjoy to swim」は意味が通じてもすぐに不自然に聞こえます。この組み合わせがこのページの出発点です。
なぜ「enjoy」は動名詞 (gerund) を取り、「hope」は不定詞 (to-infinitive) を取るのか、理由で説明できる決まりはありません。理屈で考えて当てようとせず、動詞ごとに相手の形と一緒に覚えることが大切です [1]。
動詞と相手の形をセットで覚える
動名詞は実際の経験、不定詞は未来の目標を表す、と説明されることがあります。分かりやすい考え方ですが、実際の英語では当てはまらない場合が多くあります。
「admit」と「agree」を比べます。どちらも発言を報告しますが、「He admitted taking the file」と「He agreed to take the file」になります。「finish」と「decide」も同じです。「I finished writing」に対して「I decided to write」です。意味ではなく動詞が形を決めています。
単語を覚えるときは動詞と相手を一つのセットにします。新宿の会議室で使う表現も、オンライン英会話の自己紹介も、セットで覚えると迷いません。TOEIC Part 5でもこの組み合わせがよく問われます [2]。
- 「She decided to accept the offer.」動詞「decide」はいつもto不定詞を伴います。海外出張の打診を受ける場面でよく使います。
- 「She avoided answering the question.」動詞「avoid」は必ず動名詞を伴います。英語の会議で質問をかわす場面を思い浮かべます。
- 「They promised to arrive on time.」動詞「promise」はto不定詞を伴います。外国人のお客様との約束で使います。
- 「They finished cleaning the kitchen.」動詞「finish」は動名詞を伴います。コンビニのバイト終わりの報告のような身近な場面です。
一つの文に二つの動詞があるとき
一つの文に動詞が二つあるとき、それぞれの役割は違います。最初の動詞は定動詞です。時制を表し、主語と対応します。
二つ目の動詞は非定動詞です。最初の動詞の目的語として働き、時制や主語で形が変わることはありません。
主語も二つ目の動詞も同じで、最初の動詞だけが違います。それぞれが何を求めるかを見ます。
She decided to call her manager.
「decide」はtoと原形を伴います。意味からの予測はできません。動詞がこの形を持っていると覚えます。
She avoided calling her manager.
「avoid」は動名詞を伴います。入れ替えて「She avoided to call」にすると、意味は分かっても誤りになります。
She started to call her manager.
「start」はどちらも使え、意味は変わりません。「She started calling」と同じ内容です。
She stopped to call her manager.
ここでは意味が動きます。「stop to do」は電話をかけるために手を止めた、という意味です。
She stopped calling her manager.
「stop doing」は電話をやめた、という意味です。同じ二語でも出来事は逆になります。
主動詞to不定詞動名詞
時制を変えても二つ目の形は変わりません。「She decides to call her manager」でも「to call」はそのままです。動名詞を求める動詞も同じです。「She enjoyed meeting her manager」は「She enjoys meeting her manager」になります。二つ目の動詞は時制を持ちません。
形が一つに決まる14の動詞
日常的によく使う少数の動詞が、動名詞と不定詞の間違いの多くを占めます。14の基本動詞を相手と一緒に覚えると、会話やTOEICでの間違いが大きく減ります [3]。
動名詞だけを取る7語は「enjoy」「finish」「avoid」「mind」「suggest」「keep」「practise」です。to不定詞だけを取る7語は「want」「decide」「hope」「plan」「need」「promise」「offer」です。
| 動詞 | 必要な形 | 自然な例文 |
|---|---|---|
| enjoy, finish, avoid | -ing | I enjoy cooking, we finished reviewing, he avoided answering. |
| mind, suggest | -ing | Do you mind waiting outside? She suggested taking a taxi. |
| keep, practise | -ing | Why do you keep interrupting? Practise speaking daily. |
| want, decide, hope | to | We want to hire someone, they decided to stay, I hope to see you. |
| plan, need | to | She plans to study law, you need to submit today. |
| promise, offer | to | He promised to call, they offered to help us move. |
「mind」は依頼でよく使います。「Would you mind closing the window.」「I do not mind waiting」のように、後ろは必ず動名詞です。「keep」に動名詞が続くと、繰り返し続ける意味になります。「Why do you keep checking your phone.」は満員電車で田中さんが佐藤さんに言うような場面です。
前置詞の後ろはすべて動名詞
前置詞の後ろに動詞が直接続くとき、その動詞は必ず動名詞になります。この決まりに例外はありません。
「about」「at」「by」「for」「in」「of」「without」の後ろがその例です。「She is good at explaining ideas」「Thank you for coming」「He left without saying goodbye」のように、前置詞を見つけたら形は決まります。
一番の落とし穴は「to」です。ふつうtoは不定詞の印ですが、目的語と動詞をつなぐ前置詞の場合もあります。前置詞のtoの後ろは動名詞です。
「look forward to」を見ます。「I look forward to meeting you」が正しく、「I look forward to meet you」にはなりません。「be used to」や「object to」も同じ形です。「I am used to waking up early」「They objected to paying」になります。動詞をitに置き換えられるかが目安です。「I look forward to it」と言えるので、「I look forward to seeing it」になります。
✦ 理解度チェック
5問ですべて解説付き。
実際に使う文で耳を鍛えるテスト。
She enjoys ___ historical novels on Sunday mornings.
I am looking forward to ___ you at the conference.
He was driving for hours, so he stopped ___ a coffee.
My manager suggested ___ the team meeting to Thursday.
The doctor advised him ___ more water every day.
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →両方の形が使える動詞
よく使う動詞の中には動名詞もto不定詞も取れるものがあります。意味が変わらない場合と、形を間違えると話の内容が変わる場合があります。
意味が変わらない3語は「start」「begin」「continue」です。「It started raining」と「It started to rain」は同じ内容です。どちらも自然で、「is starting raining」のようなingの重なりを避けるときにtoが便利です。
意味が完全に変わる4語は「remember」「forget」「stop」「try」です。
| 動詞 | 動名詞と一緒の場合 | to不定詞と一緒の場合 |
|---|---|---|
| remember | 過去の記憶: I remember locking the door. | するべき用事: Remember to lock the door. |
| forget | 過去の出来事の記憶: I will never forget seeing Rome. | 用事のし忘れ: Do not forget to buy milk. |
| stop | 習慣をやめる: He stopped smoking. | するために止まる: He stopped to smoke. |
| try | 方法を試す: Try resetting the router. | 努力する: Try to open the door. |
目安として、動名詞はすでに経験した動作を振り返り、toはこれからの意図や用事に向かいます。留学の面接でゆいさんが話す過去の経験と、これからの目標を分けるときに役立つ見方です。
人を入れてto不定詞に続ける
他の人に動いてほしいときは、最初の動詞とto不定詞の間に人を入れます。動詞 plus 人 plus toの形です。この形でよく使う動詞は「ask」「tell」「want」「need」「remind」「advise」「expect」です。
- 「Ask her to come to the meeting.」他の人に動いてもらう丁寧な依頼です。けんたさんが会議室への案内で使います。
- 「Tell him to wait in the lobby.」直接の指示です。
- 「I want you to check these figures.」他の人への期待を表します。英語の会議で資料の確認を頼む場面です。
- 「Please remind me to call the bank.」他の人の声かけで自分の今後の動作を促します。
- 「The lawyer advised them not to sign.」助言です。否定はtoの直前にnotを置きます。
否定の位置に注意します。toの直前にnotを置き、「She told me not to worry」とします。日本語の「あなたが来ることを望む」をそのまま写して「I want that you come」とするのは誤りです。必ず「I want you to come」とします。
最初に直したい四つの間違い
日本語にはない区別が英語にあるため、日本語話者に特有の間違いが出ます。日本語をそのまま写すと起きる四つをまとめます。TOEICや英検、IELTSの記述にも直結します。
- 「I enjoy to read novels.」と「I enjoy reading book.」 「enjoy」は動名詞だけを取ります。「I enjoy reading novels」が正しい形です。日本語には冠詞 (a, an, the) がないため、aやtheを落として「reading book」になりがちです。「reading a book」「reading novels」のように冠詞か複数形が必要です。複数も日本語にない区別で、「I have three book」「many student」のように単数のままにしがちです。「three books」「many students」とします。
- 「I am looking forward to hear from you.」とpleaseの重ねすぎ ここでのtoは前置詞なので「I am looking forward to hearing from you」が正しい形です。日本語の「お願いします」を写して「please」を重ねると、ビジネスメールが重く感じられます。「Please remind me to call」のように一度で十分です。また日本語の「た」は過去形 (past) と現在完了形 (present perfect) の両方を表すため、「I already ate」と過去だけで済ませがちです。完了の意味では「I have already eaten」とします。
- 「She suggested to go home.」と「About me, I think.」 「suggest」はto不定詞を直接取れません。「She suggested going home」か「She suggested that we go home」とします。不可算名詞 (uncountable noun) の区別も日本語にないため、「many informations」「an advice」は誤りです。「much information」「a piece of advice」とします。また日本語の「は」を写して文頭に「About me, I think」と付けがちですが、英語では主語だけで始め「I think」とします。疑問文の語順も日本語と違い、文末に「か」を付けるだけでは通じません。「You suggested what.」ではなく「What did you suggest.」とします。
- 「I stopped to eat junk food.」をやめる意味で使うことと-lyの付け忘れ 習慣をやめるときは「I stopped eating junk food」です。「stopped to eat」ではジャンクフードを食べるために立ち止まった意味になります。「ほとんど」を写した「almost people」も誤りで、「almost all people」とします。日本語のい形容詞やな形容詞にはない区別で、形容詞と副詞を混ぜがちです。英語では「slow」と「slowly」のように-lyで分けます。「can」も許可と能力を分けずに使いがちです。許可は「Can I use this desk.」より「May I」の方が丁寧な場合があります。
動名詞とtoの選び方でまだ迷いますか。目標を入力すると、話す練習中心の短い学習を組み立てます。オンライン英会話の前に苦手を整えたい方に向いています。自分のミニコースを作る →
自分のミニコースを作る →まとめ
動名詞かto不定詞かは抽象的な理屈の問題ではありません。最初の動詞が相手を決め、前置詞の後ろは必ず動名詞になり、意味が変わる4語だけ使い方を分けます。動詞を相手とセットで覚えると迷いが減ります。声に出して繰り返すと、正しい組み合わせが自然に出るようになります。
よくある質問
TOEICでは動名詞と不定詞のどこが出ますか。
Part 5とPart 6で動詞の後ろの形がよく問われます。enjoyやmindの後ろは動名詞、decideやplanの後ろはto不定詞、look forward toの後ろは動名詞、という組み合わせを例文で覚えると得点につながります。会議やメールの文もそのまま対策になります。
suggestの後ろに人を入れたいときはどうしますか。
suggestの後ろに人とtoは置けません。「She suggested going home」か「She suggested that he go home」のようにします。人に頼む意味ではaskやtellを使い、「Ask her to come」の形にします。
remember to doとremember doingの違いが覚えられません。
toはこれからの用事、ingは過去の記憶と分けます。「Remember to lock」はこれから鍵をかける用事、「I remember locking」は鍵をかけた記憶です。留学の面接や海外出張の準備など、未来と過去の場面で分けて練習します。
前置詞のtoと不定詞のtoはどう見分けますか。
後ろをitに置き換えられるかが目安です。「I look forward to it」と言えるtoは前置詞なので動名詞が続きます。「I want to go」は「I want to it」と言えないので不定詞です。be used toやobject toも同じ見分け方です。
Sources
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where verb complement patterns sit in the B1-B2 range
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
- Swan, M. (2016). Practical English Usage (4th ed.). Oxford University Press. reference rules for verb complement patterns with gerunds and infinitives
