はじめに
意味はどちらも「言う」なので、意味では区別できません。問題は文の形です。「tell」の直後には人が来ます。「say」の直後には言葉が来ます。人を置くとき「say」には「to」が必要です。
そのため「Tell me」は自然ですが「Say me」は誤りです。「Say hello」は自然ですが「Tell hello」は誤りです。この分かれ目が見えると、後は整理できます。
この対比は初級から中級の土台です。TOEICのPart5やPart6、英語の会議やオンライン英会話でも毎日のように出ます。四つの型と決まった表現、命令文の一つの形を押さえれば、迷いが減ります。
tellは人の後、sayは言葉の後
一組で違いを感じられます。「She told me the news」は自然です。「She said me the news」は誤りです。「told」はすぐ後ろの「me」に届きます。「said」はそこに人を置けません。
イメージはこうです。「tell」は聞き手に向きます。「say」は言葉に向きます。動詞の直後に聞き手を置くなら「tell」を選びます。言葉を置くなら「say」を選びます。
「say」でも両方を言う方法はあります。「to」を足します。「She said the news to me」は文法的に正しく、やや堅い響きです。ふだんは「She told me the news」か「She said the news」を選びます。新宿の会議室で田中さんが報告する場面でも、このどちらかが自然です。
「tell」を使った一文です。動詞の直後の場所に注目します。「say」はこの場所を使えません。
She told me to wait outside.
彼女は私に外で待つように伝えました。
- told 形を決め、人を直後に置けることを示します
- me 前置詞なしで聞き手を示し、「say」ではできない置き方です
- to wait outside 人の後に内容が続きます
動詞相手指示内容
毎回使える四つの型
十の規則は要りません。四つの形でほぼ足ります。先に形を選び、あとから言葉を入れます。
まずは「say something」です。言葉だけを言います。「He said sorry」が入ります。「She said nothing」も入ります。文の中に聞き手はいません。
次は「say something to someone」です。言葉の後に「to」で聞き手を足します。「He said sorry to his teacher」がその順番です。言葉が先で、後に「to」と人です。佐藤さんが京都出張の報告でお客様におわびする場面でも使えます。
| 型 | 言える例 | 仕組み |
|---|---|---|
| say something | I said thank you. | 聞き手がなく言葉だけなので「say」が合います |
| say something to someone | I said thank you to Anna. | 聞き手が「to」の後に来るので「say」のまま正しくなります |
| tell someone | Tell me. | 聞き手が動詞の直後に来るので「tell」が合います |
| tell someone something | Tell me the time. | 人が先で言葉が後という順番で、「tell」だけが許します |
次に「tell someone」を使います。聞き手だけを言います。「Tell me」が最も واضحな例です。「She told him」も同じです。引用する言葉はなく、話しかける相手だけがあります。
最後は「tell someone something」です。人を先に、言葉を後に、何も挟まずに置きます。「Tell me the time」が当てはまります。「She told him the truth」も当てはまります。人を先に置けば、誤りは減ります。
決まった表現は動詞を固定する
切り替えの利かない表現があります。まとまりで覚えます。日本語から一語ずつ置き換えず、聞いた形のまま写します。
「tell」のまとまりは、正直さや話、役立つ事実に向きます。真実を言う、うそをつく、話をする、冗談を言う、時間を教える、道を教える場面です。相手が文に出なくても、聞き手を意識しています。コンビニで外国人のお客様に道を聞かれたときも「tell」を使います。
「say」のまとまりは、短い口頭の言葉に向きます。あいさつ、お別れ、おわび、お礼、はいといいえです。ほかに、一語言う、何も言わない、祈る、名前を言う場面です。口から出る言葉そのものに焦点があります。
| tellを使う | sayを使う | 覚え方 |
|---|---|---|
| tell the truth, tell a lie | say sorry, say thank you | 「tell」は重みのある内容、「say」は短い丁寧な言葉に付きます |
| tell a story, tell a joke | say hello, say goodbye | 「tell」は長めの話、「say」はその場の合図に付きます |
| tell the time, tell someone the way | say a word, say nothing, say a prayer | 「tell」は役立つ事実、「say」は発話そのものを指します |
「say a prayer」と「tell a story」の違いに理由を探さなくて大丈夫です。使う文で対にして覚えます。「She told us a funny story last night」は「tell」のままです。「I said a quick prayer before the exam」は「say」のままです。英検の面接でゆいさんが話すときも、この形が役立ちます。
命令はtell someone to doで伝える
人を通して指示や依頼を伝えるときに使います。形は固定です。「tell」と人と「to」と動詞です。「She told me to wait outside」が基本です。「They told us to turn off our phones」も同じです。満員電車でけんたさんが係員の案内を伝えるときも同じ形です。
「say」ではこの仕事はできません。「She said me to wait」は誤りです。「say」で言うなら形全体を変えます。「She said, Wait outside」と引用します。「She said that we should wait outside」と節で報告します。どちらも正しいですが、人と「to」と動詞の形ではありません。
ここでは短い確認が定着を助けます。各問に答えて、理由を読んでから進みます。TOEICの語彙問題と同じ感覚で解けます。
✦ 理解度チェック
五つの確認
理由付きの実文で確かめます。
She ___ me the news yesterday.
He ___ to me about the delay.
Can you ___ me the time, please?
___ hello to your mother for me.
The teacher ___ us to open our books.
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →speakとtalkは使い方が別です
「say」と「tell」は言葉を報告します。「speak」と「talk」は話す行為を表します。内容を引用しないときに使います。「We talked for an hour」は行為を言います。「She spoke to the manager」は相手を言います。
どちらも聞き手には「to」を使います。「Talk to your teacher after class」は自然です。「Speak to your teacher after class」も自然です。アメリカ英語では「I talked with my coach」のように「talk with」も聞きます。英検やIELTSでは「talk to」が無難なので、迷ったら「to」を使います。
話題にはどちらも「about」を使います。「We talked about the trip」は話題を指します。「She spoke about her job」も同じです。組み合わせもできます。「I spoke to Anna about the rota」のように、「to」で相手、「about」で話題を示します。
- We need to talk. 相手も話題もなく、話し合う行為だけを示します。留学の面接前の相談でも使えます。
- Can I speak to you for a minute. 「to」で相手を示す丁寧でやや堅い言い方です。会議室での声かけに合います。
- They talked about money all night. 話題を「about」で示し、引用がないため「talk」が合います。
- He says little but speaks well. 「says」は言葉の報告、「speaks」は話し方を表します。
「speak」は堅く一方向の響きです。「She will speak at the meeting」は短い発表の感じです。「talk」は親しく対等な響きです。「We talked over coffee」は雑談の感じです。温かみを出したいときは「talk」を選びます。
間接話法でも規則は同じです
間接話法(reported speech)でも規則は変わりません。人がどこにあるかを見ます。「She said she was tired」は動詞の後に人がないため「said」が合います。「She told me she was tired」は「me」が直後にあるため「told」が合います。
同じ出来事を二通りに報告できます。「He said he would call later」は言葉に焦点があります。「He told me he would call later」は聞き手のあなたを加えます。どちらも正しく、強調したい方が選ばれます。
後ろの小さな語にも注意します。「say」は「that」か何もなしと結び付きます。「She said that the train was late」と「She said the train was late」はどちらも正しいです。「tell」は先に人、次に必要なら「that」です。「She told me that the train was late」が順番です。この形で「tell」の後の人を省けません。
質問の報告も同じ分かれ目です。多くの報告疑問文では「say」や「tell」ではなく「ask」を使います。「She asked me where I lived」が自然です。どうしても「say」や「tell」を使うなら形を守ります。「She said, Where do you live.」と直接引用します。「She told me where to go」は答える質問ではなく指示です。
よくある四つの間違いを直す
日本語を母語とする学習者に多い誤りは、日本語の仕組みがそのまま出た形です。日本語には冠詞(article)がないため、「the」や「a」を落としがちです。複数形の印もないため、数の区別が抜けます。動詞の直後を見る癖と合わせて直します。
直し方は動詞の直後を見ることです。前置詞なしの人があれば「tell」です。「to」と人があれば「say」です。どちらもなければ「say」が無難なことが多いです。声に出して正しい形になじませます。
- He said me the answer. 「said」は「me」を直接取れません。「He told me the answer」か「He said the answer to me」と言います。日本語の「言う」は一つなので一つの動詞で済ませたくなりますが、英語は聞き手の位置で動詞が分かれます。話題の「は」が漏れて「about me, I think」のように「about」を足す癖も同じ理由です。余分な前置詞を入れないことがコツです。
- She told to me the story. 「told」は人の前に「to」を置けません。「She told me the story」か「She said the story to me」と言います。日本語の「に」があるため「to」を足したくなりますが、「tell」では要りません。冠詞がない日本語の影響で「tell story」のように「a」を落とす誤りも多く、複数形の「s」も落ちて「I have three book」や「many student」のようになります。「a funny story」のように冠詞と単複をそろえます。
- Can you say me the time. 事実を尋ねる決まった表現は「tell」です。「Can you tell me the time」と言います。日本語の「お願いします」が万能なため「please」を重ねがちですが、一回で十分です。「can」は能力と許可で使い分けますが、この文では依頼の「Can you」を使います。不可算名詞(uncountable noun)にも注意し、「many informations」や「an advice」のように数えず、「advice」のまま使います。
- Tell hello to your mother. あいさつは「say」です。「Say hello to your mother for me」と言います。日本語の「た」は過去も完了も表すため、「I already ate」の形で済ませがちですが、完了は「I have already eaten」とします。疑問文の語順も日本語の文末の「か」と違い、動詞が前に出ます。「ほとんど」の直訳で「almost people」とせず「almost all the people」とします。形容詞と副詞の区別も「-ly」の有無で確かめます。
会議や面接で「say」と「tell」が混ざるときは、自分の文で短く直すのが近道です。五分でできる練習を続けたい方は自分のミニコースを作る →から進めます。
自分のミニコースを作る →まとめ
「tell」は「to」なしで人を取ります。「say」は言葉を取り、人には「to」が必要です。この分かれ目から四つの型と決まった表現、命令文の一つの形が生まれます。
書くときは毎回確認します。動詞の直後を見て、場所の名前を言い、合う動詞を選びます。海外出張や英語の会議の前に短い音読を数日続ければ、正しい形が自然に聞こえるようになります。
よくある質問
TOEICではsayとtellのどちらがよく問われますか。
Part5やPart6では動詞の直後の形が問われます。「told me」か「said to me」かを見ます。人だけなら「tell」、言葉だけなら「say」、命令なら「tell someone to do」を選ぶと安定します。
tell the truthとsay the truthのどちらが正しいですか。
決まった表現として「tell the truth」を使います。「say the truth」は不自然に聞かれます。内容を言い換えるなら「say what is true」は可能です。
speakとtalkはTOEICや英検でどう使い分けますか。
どちらも行為を表し、相手には「to」、話題には「about」を使います。堅い場では「speak」、親しい雑談では「talk」が合います。試験では「talk to」と「speak to」を覚えれば十分です。
間接話法でthatは省けますか。
「say」では省けます。「She said the train was late」は自然です。「tell」では人を省けません。「She told me that the train was late」のように人を先に置きます。「that」はあってもなくても構いません。
出典
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where this contrast sits in the A2-B1 range
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
