「There is」と「There are」は、ものや人が存在することや、その場にあることを伝える表現です。日本語の「あります」「います」に近い働きをします。新宿の会議室で「There is a bus at six」と言えば、六時のバスがあるという案内になります。「There are two shops on this street」と言えば、この通りに店が二つあるという説明になります。動作ではなく、存在を知らせる言い方です。
英語では文の初めに意味のない there を置きます。英語は主語を必要とするためです。「There is milk in the fridge」の本当の話題は milk です。there は主語の場所を守り、後ろに本題を置くための言葉です。場所を指す「put it there」の there とは働きが違います。
日本語話者にとっての難しさは三つあります。動詞は前ではなく後ろの名詞で決めること、時制で形を変えること、日本語の「あります」をそのまま直訳しないことです。TOEICのパート5でもこの基本が問われます。仕組みが分かれば一秒で選べるようになります。
まず存在を伝えてから説明します
相手がまだ知らない情報を出すときにこの形を使います。まず存在を示し、あとから詳しく説明します。「There is a new doctor in our building」は新しい医師がいるという知らせです。そのあとに「She speaks Spanish and English」と続けて説明します。新しい情報は there is の後ろに置きます。
知らせとして言う場合、名詞から始めると不自然になります。「A taxi is outside」は相手も知っているタクシーの話に聞こえます。「There is a taxi outside」なら新しい知らせとして伝わります。外国人のお客様の対応や受付ではこの形がよく使われます。「There is a table for you by the window」は、窓側の席を用意したという案内になります。
意味のない there は形が変わりません。意味が複数でも there のままです。「There are three letters for you」でも文頭は there です。変わるのは動詞だけです。there は右を見てくださいという合図だと考えます。
- 「There is a problem with your ticket」は問題があるという知らせです。あとから内容を説明します。
- 「There are road works near the station」は駅の近くに工事があるという案内です。京都への出張でもよく使う形です。
- 「Is there a bank near here」は銀行があるかどうかを尋ねる文です。主語が人ではなく存在そのものになります。
後ろの名詞に動詞を合わせます
動詞の右側を見て is か are を選びます。後ろの名詞が一つなら is を使います。「There is a chair in the kitchen」は a chair が一つなので正しい形です。複数なら are を使います。「There are two chairs in the kitchen」は two chairs が二つ以上なので正しい形です。
文頭の there に引きずられると間違えます。there に合わせるのではなく、後ろの名詞に合わせます。ものは何かと自問します。一冊なら「There is a book on the shelf」、三冊なら「There are three books on the shelf」になります。
数えられない名詞、可算名詞 (countable noun) に対して不可算名詞 (uncountable noun) と呼ばれるものは、常に there is を使います。milk や water、rice、money、information は複数形がありません。「There is milk in the fridge」と言います。「There is a lot of traffic today」も同じです。s を付けず、are も使いません。数えられるかどうかで判断します [1]。
| 単数名詞 | 複数名詞 | 言い方 |
|---|---|---|
| a book, one chair, my coat | There is a book on the table. | |
| two books, three chairs, new shops | There are two books on the table. | |
| milk, money, rain | There is milk in the fridge. There is too much rain. |
リストは最初の語に合わせます
リストも基本は同じですが、話し言葉に例外があります。丁寧な書き言葉では最初の項目に合わせます。「There is a chair and two tables in the room」は最初の a chair が単数なので標準的です。「There are two tables and a chair in the room」は最初の two tables が複数なので標準的です。TOEICや英検の文法問題ではこの書き言葉の基準が問われます。
話し言葉では最初の項目が単数なら there is を使う人が多く、そのまま混ざったリストが続きます。「There is a pen and two notebooks in my bag」は日常会話でよく聞きます。学校や仕事の文章では、順番を変えるか動詞を整えると安全です。「There are two notebooks and a pen in my bag」は滑らかで書き言葉にも合います。
練習ではリストをひっくり返します。複数を前に出せる場合は前に出します。「There are two boys and a teacher in the hall」は「There is a teacher and two boys in the hall」より書き言葉で通りやすいです。どちらも話されますが、前者がどの試験でも安心です。
✦ 理解度チェック
後ろの名詞を見て選びます
理由と一緒に五問で確認します。
___ a good cafe around the corner.
___ too many cars on this road.
___ some water on the floor.
___ a chair and two tables in that room.
___ a storm last night.
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →同じ部屋を時制で動かします
時制に合わせて is と are を変えます。ほかの動詞と同じです。過去は単数と不可算名詞に there was、複数に there were を使います。「There was a queue at the bank」は昨日一つの列があったという意味です。「There were five people ahead of me」は昨日五人いたという意味です。
未来は単数でも複数でも there will be を使います。数は名詞で示します。「There will be a meeting at ten」は十時に一つの会議があるという予定です。「There will be ten people at the meeting」は十人が集まるという予定です。海外出張の日程調整でよく使います。現在完了形 (present perfect) では単数と不可算名詞に there has been、複数に there have been を使います。「There has been a mistake」は最近の一つのミスが今に関わる場合です。「There have been three mistakes」は三つのミスが今に関わる場合です。
イギリス英語とアメリカ英語で形は同じです。違いは話し言葉での短縮の多さだけです。書き言葉では短縮しない完全な形が安全です。
同じ隅を四つの時で見ます。動詞と後ろの名詞に注目します。名詞が動詞を決めます。
There is a lamp in the corner.
現在で単数です。a lamp が今一つあるので動詞は is です。
There are two chairs in the corner.
現在で複数です。two chairs が今二つ以上あるので動詞は are です。
There was a desk in the corner.
過去で単数です。終わった時点で a desk が一つあったので動詞は was です。
There will be new shelves in the corner.
未来で複数です。will be は変わらず、new shelves で複数を示します。
動詞後ろの名詞
there isを使い it isやit hasと区別します
存在を表す場面で it is や it has を使う間違いが多く見られます。日本語の「あります」を「持っている」と考えると has が浮かびますが、英語では存在の意味で has は使いません。「It has a book on the table」は誰かが本を持っている意味になります。机の上に本があるという知らせにはなりません。
it is は相手が知っているものを説明するときに使います。「There is a stain on your shirt」は染みを知らせます。「It is near the collar」はその染みが襟の近くにあると説明します。最初が提示、あとが指し示しです。最初から「It is a stain on your shirt」と言うと、どの染みかと聞き返されます。
この対を声に出して覚えます。「There is a pharmacy on Main Street」で薬局を知らせます。「It is open until ten」でその店の情報を足します。提示は there、説明は it です。
- 「There is a taxi waiting outside」は新しい知らせです。単独の「It is waiting outside」では何のことか分かりません。
- 「There are two files missing」は存在の報告です。あとの「They are missing」でその書類を指します。
- 「There has been an accident on Main Street」は今に関わる知らせです。あとの「It has blocked the road」で影響を説明します。
否定と短縮を自然に言います
話し言葉やくだけた書き言葉では there is を there is の短縮形である there is の代わりに there is の短縮形として there is を縮めて使います。正式には「There is a bus in ten minutes」と書きます。友人への連絡では「There is a bus in ten minutes」を縮めた「There is a bus in ten minutes」の短縮形を使います。there are を縮めた形は書き言葉では避けます。メールや試験では完全な形を使います。
否定は not か no で作ります。「There is not a problem」も「There is no problem」も否定ですが、no の方が短く強く響きます。「There are not many seats left」は事実の報告です。「There are no seats left」はゼロの報告です。複数と不可算名詞の疑問文と否定文では any を使います。「Are there any buses after midnight」は深夜のバスを尋ねます。「There are not any buses after midnight」は深夜のバスがないという答えです。
否定はかたまりで覚えます。「There is not」は「There is not」を縮めて「There is not」の短縮形にします。「There are not」は「There are not」を縮めて「There are not」の短縮形にします。「There was not」は「There was not」を縮めて「There was not」の短縮形にします。「There will not be」は書き言葉では完全な形が普通です。否定を強調するときは完全な形を使います。「There is no excuse」は「There is not an excuse」より強く響きます。
定着する前に六つのミスを直します
日本語には冠詞 (article) がなく、複数形も日本語ほど明確ではありません。そのため there の文でも独特のミスが出ます。一つずつ声に出して直します。自宅や新宿の部屋を思い浮かべて一文ずつ作ります。
- 「There is book on the table.」 日本語には a や the がないため抜け落ちます。冠詞がないと英語では不自然です。「There is a book on the table」と言います。
- 「There are three book on the table.」 日本語は複数を形で示さないため s が落ちます。three と言っても名詞に s が必要です。「There are three books on the table」と言います。
- 「There are much information in this mail.」 日本語に可算と不可算の区別がないため many や much を混同します。information は不可算名詞です。「There is a lot of information in this mail」と言います。
- 「There is a lot of noise last night.」 日本語の「た」は過去形と現在完了形の両方を表すため混同します。last night は終わった時間です。「There was a lot of noise last night」と言います。
- 「There is a bank near here.」 日本語は最後に「か」を付けて疑問文を作るため語順が変わりません。英語は動詞を前に出します。「Is there a bank near here」と言います。オンライン英会話で道案内をするときに役立ちます。
- 「It has a hole in my sock.」 「穴があります」を持つ意味の has で訳します。存在には has は使いません。「There is a hole in my sock」と言います。
話し言葉では「There is two things I want to say」と言う人を毎日聞きます。イギリスでもアメリカでも聞かれます。書き言葉では今も間違いとされます。メールや応募書類、試験では「There are two things I want to say」と書きます。
is と are が混ざるときは、部屋や通り、一日の予定で練習します。自分のミニコースを作る → から弱点を選ぶと、TOEICに出る形から順に直せます。
自分のミニコースを作る →まとめ
「There is」は一つや数えられないもの、「There are」は二つ以上を知らせます。動詞は後ろの名詞で決まり、時制で was や were、will be に変わります。提示は there、説明は it です。自宅や通勤電車、会議室の様子を英語で言い換えて、考えずに口に出るまで練習します。
よくある質問
TOEICで there is と there are のどちらを選べばよいですか。
空所の後ろの名詞を見ます。一つや不可算名詞なら there is、複数なら there are を選びます。a chair and two tables のように並ぶ場合は最初の名詞に合わせます。時間を示す語が last night なら there was、tomorrow なら there will be を選びます。
なぜ there is milk が正しくて there are milk が間違いなのですか。
milk は不可算名詞だからです。不可算名詞に複数形はなく、常に単数扱いです。「There is milk」「There is rice」「There is money」の形で覚えます。many ではなく a lot of を使います。
there are を縮めて書いてもよいですか。
話し言葉では縮めた音を聞きますが、書き言葉では避けます。メールや試験では there are の完全な形を書きます。there is の短縮形だけがくだけた書き言葉で使えます。
there was と there has been の違いは何ですか。
「There was a delay」は終わった過去の遅れを指します。「There has been a delay」は遅れが今に関わる場合に使います。留学の面接や英語の会議では、今への影響を言うなら現在完了形を選びます。
出典
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where existential there sits at A1 to A2
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
