あなたは今、TOEICの勉強法を探しています。何から始めればよいか分からず、単語帳と問題集の前で止まっているかもしれません。その状態は珍しくありません。多くの方が同じ場所で迷います。
結論からお伝えします。先に試験の形をつかみます。次に基礎語彙と中学文法を固めます。その後に公式問題集を三周します。この順番を守ると、遠回りが減ります。初心者からの600点も現実的になります。
このページでは、その順番を具体的に説明します。リスニング四パートとリーディング三パートの役割、スコア帯別の優先順位、公式問題集の使い方、単語の覚え方、伸び悩みの抜け方まで扱います。ご自身の点数に合わせて読み進めてください。
試験の形を先に正しく把握します
TOEIC Listening and Reading Testは合計200問、約120分です。リスニングが100問で約45分、リーディングが100問で75分です。満点は990点で、リスニング495点とリーディング495点の合計です[1]。
まずは配点ではなく時間の厳しさをつかんでください。特にリーディングは75分で100問です。1問あたり45秒しかありません。立ち止まると最後まで届きません。時間配分がそのまま点差になります。
| パート | 問題数と時間 | 役割 |
|---|---|---|
| Part 1 写真描写 6問 | リスニングの一部 | 写真の内容を一文で聞き取ります |
| Part 2 応答問題 25問 | リスニングの一部 | 短い問いかけに合う答えを選びます |
| Part 3 会話問題 39問 | リスニングの一部 | 二人以上の会話を聞いて設問に答えます |
| Part 4 説明文問題 30問 | リスニングの一部 | 放送や案内を聞いて設問に答えます |
| Part 5 短文穴埋め 30問 | リーディングの一部 | 文法と語彙の知識で空所を埋めます |
| Part 6 長文穴埋め 16問 | リーディングの一部 | 文脈を読んで空所を埋めます |
| Part 7 長文読解 54問 | リーディングの一部 | メールや報告書を読んで答えます |
新宿の会議室で英語のメールを読む場面を思い浮かべてください。TOEICのPart 7はそれに近い読み物です。一方でPart 5は文の形を見る問題です。読む力と文法の知識は別に問われます。どちらが不足しているかで対策が変わります。
田中さんは初めて受けたとき、Part 7から丁寧に解きました。結果は時間切れでした。次回はPart 5とPart 6を速く解き、Part 7に時間を残しました。同じ英語力でもスコアは上がりました。順番と配分だけで景色が変わります。
600点までは基礎を先に固めます
600点までは難しい対策より基礎が効きます。基礎とは中学文法と基本語彙です。具体的には時制、受動態(passive voice)、関係代名詞(relative pronoun)、前置詞(preposition)、助動詞(modal verb)です。これらがPart 5の正答に直結します。
語彙はTOEIC頻出の1500語が目安です。満員電車で5分ずつでも積み上がります。会議、予約、請求書、納期といった仕事の言葉が中心です。英検2級レベルの単語と重なる部分も多いです。まずはここを固めてください。
- 400点未満の方は、まず中学文法の復習と基本語彙800語から始めます。短い文を正確に読めることが先決です。
- 400点台の方は、Part 5の文法問題を形で解けるようにします。冠詞(article)の有無や可算名詞(countable noun)と不可算名詞(uncountable noun)の区別もここで整えます。
- 500点台の方は、Part 6とPart 7の読む量を増やします。1日15分でも毎日英文に触れると処理速度が上がります。
日本語には冠詞がありません。そのため「a」や「the」を落としたまま覚えがちです。たとえば「I have three book.」は自然ではありません。正しくは「I have three books.」です。日本語の「た」は過去形(past tense)と現在完了形(present perfect)の両方を表すため、「I already ate.」とだけ言いがちです。経験や結果が今に関わるときは「I have already eaten.」を使います。
佐藤さんは500点台で止まっていました。原因は応用不足ではなく、複数形の付け忘れや冠詞の抜けといった基礎の揺れでした。基本文を音読して形を整えたら、Part 5の正答率が上がりました。基礎の見直しは地味ですが確実です。
パート5は文の形で解きます
Part 5は30問を10分前後で解きたいパートです。1問20秒が目安です。意味を全部訳さず、文の形で判断します。空所の前後だけを見て、品詞や動詞の形を決めます。これが600点への近道です。
たとえば品詞問題では語尾が手がかりです。「efficient」は形容詞で、「efficiently」は副詞です。日本語の「な」や「い」は副詞との区別が曖昧です。英語では形容詞が名詞を、副詞が動詞を修飾します。この区別ができると迷いが減ります。
同じ文の空所に違う形を入れます。時の言葉との相性で正解が変わります。
The report was submitted by Ms. Sato yesterday.
報告書は昨日提出されましたという意味です。終わった時を表すyesterdayがあるため、過去の受動態が自然です。
The report has been submitted by Ms. Sato.
報告書はすでに提出されていますという意味です。終わった時がなく、今の状態につながるため、現在完了形の受動態が自然です。
The report is submitted by Ms. Sato every week.
報告書は毎週提出されますという意味です。繰り返しを表すevery weekがあるため、現在の受動態が自然です。
The report submitted yesterday.
be動詞がなく形が不完全です。受動態にはbe動詞が必要ですので、この形では正解になりません。
動詞の形行為者終わった時繰り返し
ゆいさんは選択肢を全部訳していました。時間が足りず、後半を塗り絵にしていました。空所の前後だけを見る練習に変えたら、1問20秒に近づきました。意味が分からなくても形で解ける問題は多いです。まずはそこを取り切ってください。
パート6と7は読む量より読み方です
Part 6とPart 7は読む体力が問われます。ただし量だけ増やしても伸びにくいです。読み方を変える必要があります。最初の一文で話題をつかみ、誰が誰に何を伝えているかを確認します。コンビニの貼り紙を読むように、要点から押さえます。
Part 6は空所の前後二文が決め手です。全文を訳す前に、空所の文だけを読みます。接続詞や代名詞がヒントになります。たとえば「however」の後は逆接が来ます。「they」が何を指すかで文脈が決まります。ここが分かると正答率が上がります。
Part 7はシングルパッセージから始めます。最初は二重文書に手を出さなくて大丈夫です。メールなら件名と宛先、日程と金額だけを拾います。細部は設問を見てから戻ります。全部を覚えようとしないことがコツです。
けんたさんは京都への出張案内を題材に練習しました。「会議室の予約は何時か」だけを探す読み方です。最初は遅くても、探す場所が分かると速くなります。オンライン英会話の予習にも同じ読み方が使えます。読む目的を先に決めてください。
パート3と4は先読みが点数を決めます
リスニングのPart 3とPart 4は先読みが重要です。音が始まる前に設問と選択肢に目を通します。聞く内容の当たりがつきます。聞きながら読むのではなく、聞く前に読んでおきます。
Part 2は短いやり取りです。疑問詞を聞き逃さないことが大切です。日本語は文末の「か」で質問が分かります。英語は文頭の疑問詞や助動詞が手がかりです。「where」と「when」の聞き分けができると失点が減ります。
✦ 理解度チェック
実力チェック
5問で基本を確認します
The new schedule ___ on the notice board yesterday.
Please submit the report ___ Friday.
「When will the meeting start?」への自然な答えはどれですか。
メールの読み方としてよいのはどれですか。
「請求書を発行する」に近いのはどれですか。
間違えた項目は、Slova が十分の短いレッスンにまとめます。あなた自身の一週間を題材にした英文で練習できます。
Slova で練習する →先読みは慣れが必要です。最初は3問中1問だけでも構いません。できる範囲を広げていきます。外国人のお客様の対応のように、要点を予測して聞く姿勢が役立ちます。聞き取れなくても設問の答えは拾えます。
公式問題集は一冊を三周します
教材は公式問題集を軸にします。理由は本番の声や形式が同じだからです。市販の予想問題より優先します。一冊を終えることが何冊も買うことより大切です。まずは一冊に絞ってください。
三周の目的はそれぞれ違います。一周目は時間配分と弱点の把握です。二周目は解き方の修正です。三周目は本番の再現です。同じ問題でも得るものが変わります。繰り返しが理解を深めます[2]。
- 一周目は時間を計って通しで解きます。答え合わせでは正誤だけでなく、かかった時間も記録します。Part 5に何分かかったかが次の課題になります。
- 二周目は間違えた問題だけを解き直します。解説を読んで、なぜ他の選択肢が違うかを自分の言葉で説明します。冠詞や複数形の間違いもここで直します。
- 三周目は本番と同じ順番と時間で解きます。リスニングは止めずに通します。リーディングはPart 5を10分で切り上げ、Part 7に時間を残します。
田中さんは問題集を三冊買っていました。どれも半分で止まっていました。一冊に絞って三周したら、同じ問題の二回目の正答率が上がりました。新しい教材より繰り返しが効きました。終わらせる経験が自信になります。
単語は文ではなく場面で覚えます
単語は単独より場面で覚えます。TOEICは仕事の場面が多いです。会議、予約、配送、返金といった流れで覚えます。日本語訳より使い方を意識します。例文ごと覚えると定着します。
たとえば「delay」は遅れという意味です。「The shipment was delayed.」なら貨物が遅れたという意味です。満員電車で遅延案内を聞く場面と重ねます。場面と結びつけると思い出しやすくなります。
「advice」は不可算名詞(uncountable noun)です。そのため「an advice」や「many advices」は使いません。「a piece of advice」が自然です。「information」も同じ仲間です。日本語には数え方の区別がないため、意識して覚えます。
「almost」は「ほとんど」という意味です。「almost people」のようには使いません。「almost all the people」が自然です。「please」は丁寧ですが多用すると強く響きます。「Could you」や「Would you mind」で柔らかく言い換えます。海外出張のメールでも役立ちます。
時間を計らない練習は本番で崩れます
時間を計らない練習は心地よいです。しかし本番では崩れやすいです。普段は解けるのに点が伸びない方はここが原因です。練習から本番と同じ条件にします。タイマーを使うだけで意識が変わります。
目安はPart 5が10分、Part 6が10分、Part 7が55分です。合計75分です。Part 5で迷ったら印をつけて進みます。戻るのはPart 7の後です。完璧より完走を優先します。
| パート | 目標時間 | 進め方 |
|---|---|---|
| Part 5 30問 | 10分 | 空所の前後で形を判断し、迷ったら次に進みます |
| Part 6 16問 | 10分 | 空所の前後二文を読み、文脈で選びます |
| Part 7 54問 | 55分 | シングルから解き、探す読みで進めます |
佐藤さんは自宅では正答率が高いのに、本番では時間が足りませんでした。原因は時計を見ない練習でした。タイマーを使ってPart 5を10分で区切ったら、Part 7に20分残せるようになりました。練習の形が本番を作ります。
伸び悩みは力がついている証拠です
500点台で伸び悩む方は多いです。勉強しているのに点が動きません。焦って教材を変えたくなります。しかし伸び悩みは力がつく過程です。知識が整理される前に一時的に止まります。ここでやめないことが大切です。
この時期は間違いの種類を見直します。単語が分からないのか、文の形が分からないのか、時間が足りないのかを分けます。種類が違えば対策も違います。公式問題集の記録が手がかりになります。弱点が絞れるとやることが減ります。
- 語彙の間違いが多い方は、場面別の復習に戻ります。会議や配送など、失点が多い場面から固めます。
- 文法の間違いが多い方は、中学文法の例文を音読します。関係代名詞や受動態の形を声に出して整えます。
- 時間不足が多い方は、Part 5の速度を上げます。1問20秒を意識して、迷う問題を飛ばす練習をします。
ゆいさんは600点直前で二か月止まりました。記録を見るとPart 7の後半だけが弱いと分かりました。シングルパッセージの正答率は高いままでした。二重文書の読み方だけを直したら、次回で抜け出せました。止まった場所を細かく見ると道が開けます。
問題集を増やす前に直す五つの癖
点が伸びない原因は能力より癖の場合があります。次の五つに心当たりがあれば、教材を増やす前に直します。小さな修正が点に直結します。ご自身の学習を振り返ってみてください。
- 問題集を何冊も買って一冊も終えない癖があります。公式問題集一冊の三周に戻ります。終わらせることが優先です。新しい本は今の本を終えてから検討します。
- 単語帳だけを繰り返してリスニングに触れない癖があります。1日10分でもPart 2やPart 3の音声を聞きます。文字と音をつなげると定着します。通勤時間の聞き流しも積み上がります。
- 時間を計らずに解く癖があります。Part 5は10分で区切ります。タイマーを使うだけで本番に近づきます。迷った問題は印をつけて後回しにします。
- 解いた後に解説を読まない癖があります。なぜ正解かを説明できるまで読みます。冠詞(article)の抜けや複数形の付け忘れもここで直します。「about me, I think」のような日本語の「は」の直訳も見直します。
- スコアが上がったのに話す練習を放置する癖があります。600点を取っても一言も話せないままではもったいないです。学んだ文を声に出して使います。留学の面接や英語の会議で使える形にします。
けんたさんは単語帳だけを続けていました。読めるのに聞き取れませんでした。音声を毎日10分足したら、Part 3の正答率が上がりました。やることを足すより偏りを直す方が近道です。癖の修正が点数を押し上げます。
スコアと話せる力は別に育てます
ここまで正直にお伝えします。TOEICの点数と話せる力は別物です。600点を取っても会議で話せるとは限りません。聞く力と読む力は伸びますが、話す練習は別に必要です。その違いを知っておくと迷いません。
たとえば「can」は能力と許可の両方に使えます。「Can I use this room.」は許可の意味に近づきます。お願いをするときは「Could I」や「May I」が丁寧です。「お願いします」のつもりで「please」を重ねると強く響きます。使い分けが現場では大切です。
IELTSの面接や英検の二次試験を受ける方は、話す練習を早めに足します。TOEICで覚えた語彙を話す材料にします。「The meeting has been moved to Friday.」なら会議が金曜に移ったという意味です。そのままオンライン英会話で使えます。点数と会話を往復させます。
点数は伸びたのに話す場面で止まる方は、苦手だけを集中的に固めると近道です。自分のミニコースを作る → から弱点別の練習を始めてみてください。
自分のミニコースを作る →結論
TOEICの600点は順番で狙えます。先に試験の形をつかみます。基礎語彙と中学文法を固めます。公式問題集を一冊三周します。Part 5の速度を上げ、Part 3とPart 4は先読みし、Part 7は探す読みで進めます。
伸び悩みは力がつく過程です。記録を見て弱点を絞ります。時間を計り、解説を読み、音声に触れます。その積み重ねが点数になります。今日から一冊に絞って進めてください。
よくある質問
初心者は何点から600点を目指せますか。
現在の点数にかかわらず目指せます。400点台なら基礎固めから始め、3か月前後で600点を狙う方が多いです。
公式問題集は何冊必要ですか。
最初は一冊で十分です。三周して解き方を固めてから次に進みます。何冊も買うより一冊を終えます。
単語帳と問題集はどちらが先ですか。
基本語彙と並行して問題集に触れます。単語だけでは聞き取りが伸びにくいため、音声も毎日使います。
600点を取れば英語で働けますか。
読み聞きの基礎にはなりますが、話す力は別に必要です。覚えた表現を声に出して使う練習を足してください。
出典
- 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会. TOEIC Listening & Reading Testの構成と満点. 試験時間と問題構成の説明を裏付けます
- Council of Europe. Common European Framework of Reference for Languages: level descriptions. where this contrast sits in the A2-B1 range
- Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. practice testing and spaced review rated high utility
